iPhone登場前にも、心熱くさせるPDAの時代があった
2000年代の中盤は、PDAが一番盛り上がった頃かもしれません。
特に海外在住のビジネスマンの間で、Windows Mobileを搭載したPDAや携帯電話の人気が爆発しました。
実はこの頃には既に、スタイラスペンは利用するものの、タッチスクリーン式のPDAは当たり前の存在でした。
かなり現在のタッチスクリーン式のスマートフォンに近い物が多く登場していました。
この2000年代中盤、現在のスマートフォン的な製品は、PDAフォンなどと呼ばれることが多かったと思います。
「PDAフォン」…既にスマートフォンですね。「Universal」「O2」「Palm」など、海外にはこれだけ面白い端末があるのに日本は…などと嘆いたものです。
この「PDAフォン」の多くは、日本で正規販売されることはありませんでしたが、
海外在住者や、海外に頻繁に渡航する人の中にはマニアのような方もたくさんいらっしゃいました。何かあの頃の盛り上がりが懐かしいですね。
iPhone登場
2007年に登場した初代の
iPhoneは、スマートフォンという呼び名が今ひとつしっくりこない(あくまでも私にとってですが)端末でした。
Apple 独自のOS、iOsを搭載しています。携帯音楽プレーヤー(iPod)と携帯電話が合体したものという認識でしたが、今思えば、それだけなわけが無いですね。しかし、マルチタッチは画期的な操作方法だと思います。今でこそ、当たり前の操作ですが、革命的な発明でしょう。
日本に初めて投入されたモデルはiPhone 3GSでした。ディスプレイをタッチして操作するということ自体に抵抗を持っていた人が多かった記憶があります。
フィジカルのQWERTYキーボードが使いやすかったNokiaとBlackberry
iPhoneとくればAndroidという流れになるわけですが、まだ海外携帯・スマホの世界はBlackberryとNokiaが存在感を発揮していました。
Nokiaは先にも触れたとおり、大衆向けの商品から、尖ったフルスペックビジネス機まで「好きなものは何でも作る」的な意気込みがありました。
デザインも、未来的というか挑戦的というか、なかなか他社からは出てこないような奇抜な物もNokiaにはありました。
対するBlackberryですが、こちらは無骨という印象があります。
NokiaもBlackberryもフィジカルのQWERTYキーボードを持つ端末を得意としていましたが、やはりNokiaは「繊細」、Blackberryは「重厚」だと感じました。
どちらも作り込んだすばらしいキーボードでした。
この頃はNokiaにしろBlackberryにしろ、基本的に海外で手に入れるものだったので、端末は日本語に対応していませんでした。
Blackberryも日本語化できたはずですが、Nokiaも比較的かんたんに日本語化ができました。
Symbianの場合、初期状態だとまったく日本語が表示されずに戸惑ったものですが、こういうことを自分で解決する時間が楽しかったですね。
今のスマートフォンではなかなか味わえない至極のひとときでした。
そのNokiaの
N95も、現在へと直接つながる要素を持った高機能端末でした。
5MPカメラにGPSとナビゲーションを搭載。カメラは動画も撮影可能でした。
フィジカルのQWERTYキーボードは搭載していませんでしたが、現在のスマートフォンとほぼ同じ使い方のできる優れた端末でした。
Android登場
2008年になると、Googleがスマートフォン用のOS、Androidを発表します。
これはGoogleがAndroid社自体を買収した事によるもので、Googleはオープンソースソフトウェアとして公開しました。
これによりスマートフォンを中心に、様々なデジタル端末のOSとしてAndroidが採用されることになりました。
最初のAndroid スマートフォンは、台湾の
HTCから生まれました。
HTCはWindows Mobileを搭載したPDAで既に知られた存在であり、その端末は多くのギークの注目を浴びていました。
Googleは自社名義のAndroidスマートフォンとして
Nexusを発表しています。
その他、
Sonyの
Xperiaや
Samsung Galaxyなど、現在に続くスマートフォンのストーリーは、このAndroidの誕生とともに始まったのです。